映画「パラフィリア・サークル」

全員狂ってる!? 現実への入り口は?
夢か現実か?・・・人間の中に眠るサイコが爆発するサスペンス映画 『パラフィリア・サークル』


あらすじ

玉川健斗(玉城裕規)は小説家で、デビュー作は話題になって売れたが、その後不振が続き、崖っぷち状態にあった。 文芸誌編集長の三河(三浦浩一)に「小説にリアリティがない」とダメ出しされ、妻にも勧められてサスペンス小説に挑もうとする。そしてネットで知り合った自称サイコパス狩りという男に出会う。

ここから絡まり合うはずの無い4人のストーリーが始まる。

エリート弁護士の栗野宗一(縣 豪紀)には人には知られたくない秘密があった。良家の令嬢である婚約者がありながら、別に恋人があり、その恋人に苛烈な拷問を仕掛けていく。

大学生の森瀬京(瀬戸啓太)は恋人とのプレイに満足できず、より強い刺激を求めて相手かまわず欲望の世界をさまよう。

佐川貴史(川上将大)は普通のサラリーマンだが、心の奥底に裏の顔を持っている。森瀬の懇願に応えてしまってから、その欲望に歯止めがかからず……。

果たしてこの物語の終着点はどのように描かれるのだろうか!

・映画公開日:2023年6月23日(金)

・企画・原案:大勝ミサ

・監督:旭 正嗣

・脚本:光伸 春 

・主題歌:「盗まれた時間」あるとないと 

・配給:MARCOT 

・公式サイト: https://paraphilia-circle.themedia.jp 

・公式Twitter: @paraphilia_cir


脚本家 光伸 春さんからのメッセージ

今回の作品ですが、最初にお話をいただいた時には、オムニバスのサスペンスという企画でした。私も そのつもりでお話を作っていたのですが、出演者候補の俳優さん達とお話しさせていただくうちにその魅 力に惹きつけられ、この出演者達をそれぞれ独立したお話の中で断絶させてしまうのは非常に惜しいと 感じ始めました。その結果、当初は完全に別々のお話の集合体だったアイデアが、オムニバス風ではあ るのですが一本の筋があり、最終的には全員が顔を合わせるという現在の形へと変化しました。

一般的な感性を持った人間はひとりも登場しません!

今作品は、サスペンスではありますが、愛のお話でもあります。形が一本にまとまり俳優さん達全員が共 演する事で、各々が『普通』の尺度から逸脱した愛の形を持ち、各々が煩悶する、というテーマがより深 く際立って描かれたのではないかと思います。 この作品に、いわゆる一般的な感性を持った人間はひとりも登場しません。全員が歪です。 しかし、それ故に純粋で、決して報われる事の無い愛を、是非見届けてあげてください。

旭 正嗣 監督からのメッセージ

最初に、プロデューサーから「サスペンス映画をやりたい」と言われて、即決で引き受けた。 というのも、アクションやヤクザもの、ホラーなどたくさん撮ってきたけれど、純粋なサスペンス映画は 撮ったことがなかったので。 サスペンスといったらヒッチコック監督作品とかが思い浮かぶけれど、僕はそれを飛び越えて、1920年 代のドイツ映画、とくにドイツ表現主義の嚆矢となったロベルト・ヴィーネ監督の「カリガリ博士」を真っ先 にイメージした。現実か幻想かわからない、そういうイメージをイケメン4人の物語のオムニバスがいいか と考えたのだけど、脚本の光伸 春さんがオムニバス的でありながら上手く一つの物語にまとめてくれ て、僕のイメージに近い本が上がってきた。

役者については、川上君、瀬戸君は元々知っていたのでイメージに合う役に当てはめて、主演の玉城 君は初めて組んだけれど、座長的役割をしっかり果たしてくれたし、縣君は複雑な役柄を懸命に演じて くれてクオリティを出せた。 女優陣も時間のない過酷な撮影の中、難しい役をそれぞれ一生懸命演じてくれて、実際この映画の後 で、僕の映画の常連になった子が多い。

出来の良い子になった

コロナ禍の渦中の撮影であり、低予算映画の常でいろいろ問題もあったし難産だったが、いつもは完成 して反省点ばかり残るのだけれど、今回は割と「出来の良い子」になったと思うし、自作として気に入っ ている作品になった。 日本の映画やエンタメの世界は、海外に後れを取ってとても厳しい状況にあるけれど、応援してくれる 映画ファンが少しでも増えてくれることを願っています!